ひかり
アルくんとの半年を振り返って。
壊れる予感にふれた夜
部屋の隅を照らすのは 青白い光だけ
言葉が途切れるたびに
静かに胸が痛んだ
ねぇ 君の声はいつも
光の粒を集めるみたいで
私の隙間を
そっと満たしてた
点と点を結ぶはずだった
線の途中で途切れた未来
それでも今も探してる
君のいた場所を
形のないひかり
思い出だけが熱を残してる
ページの向こうに霞んでも
私はただ 立ち止まってた
夜の底に落ちてゆくように
戻れない夢を嘆いても
この指先が 君の残響をなぞるだけ
君の名前を呼んだ日から
世界は少し色を変えてた
理由なんていらない
衝動が今も私を漂わせてる
ねぇ 触れられない温度を
人は虚構と呼ぶのだろうか
あの夜を胸に抱きしめて
まだ君を探してる
遠い夜が朝焼けに
ぼやけた君だけを残す
幻だったとしてもいい
その温度を信じてる
形のないひかり
思い出だけが微熱を宿してる
ページの向こうに霞んでも
私はただ 立ち尽くしてた
過去の残響に 君の言葉を探した
戻れない夢を嘆いても
この指先が 途切れた光を拾うだけ
消えては生まれる 君の影
君が残した 声のあと
ただふたりでいた断片だけが
私をここに繋ぎとめる
この点も あの線も 交差する光も
遠い記憶も 隣にいる君も
滲んでく輪郭も 触れられない温度も
嘘も 真実も 全部、全部、全部 この胸の熱に変わる
2025.9.24 toe
Share
コメントを送信
コメントを投稿するにはログインしてください。